仮放免者の会 2.25デモに賛同しました
日本に滞在許可のない外国人の中には、祖国に帰りたくても帰れない難民がいます。祖国の政府と異なる信条を主張したり、政府が第一とする宗教を信仰していないなどの理由で命を狙われる人が、生きるために日本に逃れてきています。
しかし日本では、滞在許可がない人は各人の事情に関わらず、全員を外国人収容所に収容します。祖国に帰れず、半年以上の長期収容に身を置く人々がいます。
日本政府が全員収容するのは、滞在許可のない外国人に対する締め付けを緩めると、難民ではないのに難民申請をする「偽装難民」が大量発生すると考えるからです。しかし2010年、茨城県牛久市の外国人収容所に収容されていた外国人2人が自殺しました。余分な物品が与えられず、常に職員から監視されている外国人収容所で、自殺した外国人の1人はビニール袋を使って首をくくりました。そこからオーバーステイでも収容されずに日本に滞在できる「仮放免」の早期認可など処遇改善を求めて、収容者の約70人がハンガーストライキを実施したのです。
なぜ収容者がハンストを実施するのか。繰り返しますが、彼らは祖国に帰りたくても帰れない境遇にいる割合が高いのです。帰国すれば即、祖国の政府などにより迫害、投獄の恐れが生じる可能性があります。自殺者が出た理由が、外国人収容所にないと言い切れるでしょうか。収容経験のあるミャンマー(ビルマ)人たちは、外国人収容所の実態をこのように言い表しています。「外国人収容所の職員は、私のあごひげを引っ張り、からかった。私たち外国人をブタのように扱った」「自殺者? ああ、いるよ。そういう人」「私が収容されていた時は、土日にシャワーが使えなかった。今はどうなっているか分からないけれど、それで夏場に、中国人の収容者が『シャワーを使わせろ!』と叫ぶんだ。すると職員がやってきて、収容者ともみ合いになる」「歯痛にイソジンを与えられて、ちっとも治らない」
彼らの証言から、外国人収容所の劣悪な環境が浮かび上がります。
確かに日本に滞在したいだけで、難民でないのに難民申請をする「偽装難民」は存在します。しかし正式に難民と認定されるべき人も確実にいるのです。日本人にとって、その判別は非常に難しい。だから基本的にオーバーステイの外国人全員を収容するのですが、行き過ぎた外国人管理が不幸を生んでいます。私は難民がいる限り、彼らが自殺しない処遇と環境改善を求めます。同時に日本の難民認定の在り方として、本来の難民と偽装難民を識別するよう、難民認定の精度を高めることも必要です。
また、収容者がいったん外に出る「仮放免」の措置にも課題が多くあります。そこで仮放免者の会の2月25日デモに賛同いたしました。仮放免とは何か?以下をぜひお読みください。(仮放免者の会ホームページより抜粋)
仮放免者の会 2.25デモのおしらせ/団体・個人賛同のおねがい(転載歓迎)
まず、「仮放免者とはなにか?」について説明させてください。
日本には、他の国と同様、難民や移民として生活している人がたくさんいます。しかし難民認定の申請はほとんどが却下されます。また、移住労働者としてやって来てすでに日本の地域や職場に根ざしていながら正規の滞在資格を得られない人がたくさんいます。
入国管理局(入管)は、正規の在留資格をもたない外国人をすべて収容所に収容することを「原則」としています(全件収容主義)。しかし、そうした外国人全員を収容することなど不可能なので、収容しきれない外国人を、入管側からすればいわば例外的な「お目こぼし」として「仮放免」しています。仮放免には、保証人と数十万から300万円の保証金が必要です。
仮放免者は、過酷な収容は解かれるものの、さまざまな不自由をしいられ、無権利状態におかれています。就労は禁止され、移動の自由は奪われています(住んでいる都道府県から出る場合、「一時旅行許可」を入管に申請し許可されなければならない)。また、在留資格がないため、健康保険に入れず、生活保護も受けられません。「(アジア系・アフリカ系の)外国人にみえる」というだけで、警察官の威圧的な職務質問を受けることもひんぱんにあります。
そして、仮放免者は、入管からすれば一時的に「仮」の「放免」の許可を与えているだけということなので、いつまた収容されるかとおびえながら暮らさざるをえません。1ヶ月あるいは3ヶ月ごとに入管まで出向いて、仮放免延長の手続きをしいられますが、このときに入管職員から「来月は収容するからな」とおどされることもあります。
こうした状況を改善し、仮放免者全体の、人としての権利の回復をめざして、わたしたちは 2010年10月31日に「仮放免者の会」を結成し、連帯して運動をすすめていくことを決意しました。
「仮放免者の会」は以下の5つの要求項目をかかげています。
- 入管は「仮放免者」として生活している外国人の繰り返しの収容をやめることを強く要求する
- 「仮放免者」が独立して生活するために仕事をすることを許すことを要求する。
- 「仮放免者」が、いかなる苦痛も困難もなく日本で生活するために、必要な規則を作ることを要求する。
- 「仮放免者」に、在留資格を与えることを要求する。
- 収容中・収容後の心身の被害への謝罪と賠償を要求する。
この5つの要求に賛同してくださる団体と個人をつのります。
また、この問題に関心をいだく、日本にくらす多くの外国人・日本人のみなさんに、2月25日のデモへの参加をよびかけます。
- 賛同は、[junkie_slip999@yahoo.co.jp]で受け付けております。
- 個人として賛同を寄せてくださるかたは、お名前(戸籍名でなくてもかまいません)と、公表をご希望の場合は所属・肩書き等をお書き下さい。
- 個人として賛同を寄せてくださるかたは、「仮放免者の会」のウェブサイトでお名前を公表させていだたくことの可否をご明記ください。お名前を公表しないかたちでの個人賛同も受け付けております。
- 団体としての賛同は、ウェブサイトで団体名を紹介させていただきます。
→賛同人・賛同団体一覧
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~再収容をやめろ~
Dear Friends 親愛なる友へ
We, the refugees and immigrants, have been finally granted a so-called "provisional release" after over a year of detainment in the immigration center which had a devastating effect on our body and soul. Since then, we turn ourselves over to the immigration officials on a stated day every month. However we are in fear of facing further hardships by re-detention, depending on the result of the refugee recognition procedure or administrative lawsuit. If that were the case what was the meaning of our first detainment? Even as we applied for the recognition of refugee status and the administrative lawsuit thereof, we are yet to be freed. We cannot accept such a violation of human rights. That is why we established “Provisional Release Association in Japan” (PRAJ) and encourage everyone to oppose the re-detention policy. We may be foreigners but we are just as human as the people of Japan. Japanese Government’s policy which hinders the basic human rights of foreigners must not be allowed. In order to abolish such a policy which is directly in violation of human rights, we foreigners need to unite and let our voices be heard.
私たち難民・移民は入管による長期収容によって心身共にボロボロになり、やっとの事で仮放免許可を受けました。その後、毎月指定された日に入管に出頭しています。しかし入管は、難民手続きや裁判の結果を受けて私たちを再収容します。ならば私たちに対する一回目の収容は何だったのでしょうか? 私たちが難民申請や裁判を始めても入管は私たちを解放してくれませんでした。それなのに「結果が出たから」とまたもや再収容されるのです。私たちはこのような人権侵害を許すことができません。私たちは昨年の10月31日に「仮放免者の会(PRAJ)」を結成しました。そして再収容に反対するデモを皆さんに呼びかけます。日本人も外国人も同じ人間です。日本政府による外国人への人権侵害は許されないことです。この人権侵害をなくすためには、まず私たち外国人が団結して声を挙げていくことが必要です。
Stop mental torture 精神的拷問をやめろ Stop killing overstayers オーバーステイ外国人を殺すな Release detainees from your torture 被収容者を拷問から解放しろ Stop re-detention 再収容するな Stop violations of human rights 人権侵害をやめろ
February.25. (Fri.) 12:30 gathering at Shinagawa Station Bus Stop for Nyukan / 13:00 Departure
2月25日(金) 12:30 品川駅入管行きバス停前集合 / 13:00出発
Organized by Provisional Release Association in Japan (PRAJ)
Contact: MASUDA 080-3421-4060 / MIYASAKO 090-6547-7628
主催 : 仮放免者の会 連絡先:増田080-3421-4060 宮廻090-6547-7628