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2012年6月11日 (月)

在日ラカイン人がミャンマーにいるラカイン族サポートの新団体を結成

2012年6月10日、東京でミャンマーの少数民族、ラカイン人が集った。集会の議題は、現在ミャンマーのラカイン州で起きているムスリムとラカイン族の衝突について。

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ムスリムとラカイン族の衝突…簡単にご説明。

バングラディシュと国境を接するミャンマーのラカイン州には、バングラディシュから多くのムスリムが移住してきている。彼らはミャンマー政府から正式な市民権を与えられず、またミャンマー国内ではラカイン州より外へ行く移動の自由がない。移民とはいえ、すでに移住してきた両親のもとミャンマーで生まれた人間もいて、ミャンマー社会で存在感を示してきている。日本ではロヒンギャと呼ばれる人々として、雑誌などで紹介されている。

彼らに対して自分たちの土地を守りたいと主張するのが仏教徒のラカイン族。イギリスの植民地支配以前は、自身で王国を持っていたラカイン族は、ミャンマーが第二次世界大戦を経て、イギリスや日本の植民地支配から脱した後も、ラカイン州の自治権を求めてきた。

ラカイン州では、20年ほど前までは、ラカイン族がこうしたムスリムの人々を小作農などにして雇うことがあった。ラカイン族にとって、ムスリムの人々は貧しく、地位の低い者とみなしてきた。

一方で、ムスリムは自分たちをミャンマーの民族、ロヒンギャ族として正式に認めてもらうよう、働きかけるようになる。ミャンマーで自活できないからと、世界中にロヒンギャの人々が難民として移住した。

ロヒンギャは民族である、というムスリムの主張に対して、ラカイン族は猛烈に反発した。もともと自分たちの土地に違法移民として入ってきたムスリムがミャンマーの正式民族となれば、いずれラカイン州の土地をラカイン族とムスリムで分け合わねばならない危機感があるからだ。

こうした背景から、ラカイン族とムスリムは水と油の関係ながらも、生活環境は共存してきていた。

ところが先月、ラカイン州のランブレーという街で、ラカイン族の女性がムスリムにレイプされ殺された。これに腹を立てたラカイン族の男性が、報復としてムスリムを8人ほど殺害。双方の対立は激化し、ミャンマーとバングラディシュ国境付近の町、マウンドーやブディドーで家や学校などを含め17の村落をムスリムが焼き払い、仏教徒を攻撃した。この火災で7人が死亡。17人負傷。行方不明50人。現在5000人ほどの難民が発生し、4つの難民キャンプが設置された。(RADIO FREE ASIA 2012年6月10日報道より)

この衝突に対して、ミャンマー政権は警察や軍を出動させ鎮圧にあたっているが、ミャンマー政府が本気で衝突の鎮圧にあたっているか疑問視する声もある。ミャンマーが軍事政権から「民政移管」して表面化した少数民族とムスリムの対立は、政権側から見れば、少数民族の州に軍備増強をうながす絶好の機会となる。

というわけで、本日、日本の首都東京では、複数あるラカイン族の民主化活動政党やボランティア団体のメンバーが、あらたに1つの団体を結成し、家や学校を焼かれた人々に寄付をすることとなった。

ちなみに上記のラカイン族とムスリムの関係について、反論のある人が大勢いることは承知している。ムスリムは自分たちをロヒンギャ族と主張している。ラカイン族はロヒンギャ族など存在しないと言い張っている。私は、双方の主張の正当性を判断できるほど知識がないため、ロヒンギャを宗教的に表現するムスリムの人々と記載した。ともあれ、ミャンマーにおけるムスリムの二流国民扱いは人権上問題がある。そしてラカイン族とムスリム両者の共存を切に望んでいる。本日のラカイン族の集いで、「共存」という話が出てこなかったのは非常に残念だ。本当に残念。でも、これからも日本人のラカイン族とムスリム関係ウォッチャーとなるべく、たびたびこうした報告はする予定。

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ミャンマーのデザート「ファルーダ」。いちごミルクにナッツ、干しぶどう、ゼリー、バニラアイス、氷が入っている。ミャンマー人の集い食事がサービスされるたびに食べさせてもらっておりますが、今回のファルーダは、もっとも美味であった。本当はミャンマー人の妻として、こういうのを作れるようにならないとねえ。食ってばっかり妻ですよ。

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ラカイン料理。右から、魚と青唐辛子いため、鶏肉と大根(やっぱり青唐辛子入り)カレー、サラダ、青唐辛子とンガピ(えびすり身ペースト)あえ。青唐辛子とンガピあえは、ふりかけみたいにしてご飯にかけて食べるんだが、まあ、ギブ、ギブアップな辛さです。

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