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2016年6月14日 (火)

珍客

わが社にも我が家にも珍客は多いが、

数か月前のお客様を少し紹介したい。
突然電話をかけてきた女性Aさんミャンマー人「チョット・・・TUNさんと話したいんですけど」
↑出ました! ミャンマー人の「日本人には話しませんが! 身内だけの話にしたいけど、なんか利益はほしいんです」の前振りです。
Aさん「チョット・・・ご挨拶に伺いたいんですが」
私「あーどうぞー。何なら明日でも(早く用件を聞いてしまおう)」
Aさん「デモ・・・雨ですと、伺えません。道が滑るから」
私「・・・・・・いいですよーそれでも、はあ」
・・・・・・・・・・・・・・・・翌日・・・・・・・・・・・・・・・・・
ピンポーン
私「(およよ来たのか)どうぞー」
Aさん「ワタシ・・・ミャンマー関係の仕事で、日本で働いてきました。在日15年です」
TUN(夫)「あっそう。私在日26年だから」
Aさん「26年っ!!!!私、TUNさんほどじゃないんですケド、日本の会社で、チョットJICAのプロジェクトかかわりました」
私「ふむふむ・・・」
・・(いろいろな答弁が繰り返されたが中略)・・
Aさん「どうしたらJICAのプロジェクトがもらえますか?」
私「(わが社の仕事のやり方を盗もうって方でしたか。しかしわざわざご来社されるとは・・・)・・・・・・・・・ご自身で、JICAにご連絡されたら?」
Aさん「・・・えーっと、私、翻訳もやったんです。日本語とミャンマー語の」
私「じゃあZAW GYI ONEでタイピングしてくれますか?ウチの仕事の一部をあなたに外注しますよ」
(※ZAW GYI ONEとはミャンマー語フォントの一種)
Aさん「でもPDFの保存方法とかわからなくて、結局締め切りに間に合わなかったんですが・・・」
私「・・・・・・」
・・(いろいろな答弁が繰り返されたが中略)・・
Aさん「実は母の土地が、ヤンゴンにありまして」
私「名刺に住所が書いてありますね。価値がある場所じゃないですか?」
Aさん「ソウなんですっ!!!ただ兄弟が私、4人いまして、土地の相続でモメているんです・・・・・・」
TUN(夫)「あなた日本人に帰化しちゃったからでしょ」
※ミャンマーの土地は外国籍の者は所持できないため、日本人に帰化した彼女には相続権がない
Aさん「ソウなんですっ!!!だから私を抜いた3人で、土地を分割しようとしていて。それで私、日本人やめてミャンマー人に戻ろうと思います」
私「簡単に帰化した日本国籍捨てるって言いますけど、お子さん未成年でしょ? 自分の老後は日本とミャンマー、どちらに住むか決めているんですか? ミャンマー人に戻って土地の権利を得て土地を売り、その後また日本人に戻ろうって、そう簡単にできるものなんでしょうか?」
Aさん「まったく、その点をかんがえてませんでした・・・」
TUN(夫)「日本人は考えすぎ!そんなのどうでもいいの。日本国籍より、何より、ミャンマーの土地のほうが価値があって大事だから」
Aさん「それもソウなんです!!!!だって、一生日本で働いてもぜったいに稼げない金額が、ヤンゴンのその土地にはあるんですっ!!!」
※ヤンゴンの土地価格は、世界一の高水準
TUN(夫)「土地の契約書、きっちり作りなさいよ。兄弟の分割の方法はさ・・・(中略)・・・」
・・(いろいろ中略)・・
Aさん「どうもありがとうございました・・・」
私「はいどうも。失礼します」
玄関から去るAさん。
私「どう思った?」
TUN(夫)「どうもこうも、彼女は私たちのマネしたいだけ!儲けたいだけ!」
私「あの土地相続問題は?」
TUN(夫)「彼女はね、たぶん、兄弟の状況をあまり考慮せず、自分だけ日本人に帰化して得した可能性がある。だから土地相続でハシゴを外されたね」
私「そのカーマが今めぐっているのですね。しかしなんで、ウチにきて身内相談・・・」
※カーマ・・・ミャンマー語で輪廻。自分が行った得も悪業もめぐりめぐって戻ってくるという話
・・・・・・・・・・・・・・・・・数日後・・・・・・・・・・・・・・・・・
私「はい、日本ミャンマー支援機構です」
電話主(ハローワーク職員)「ハローワークです。求人候補者がみえています」
私「お名前を教えていただいてもよいですか?」
電話主(ハローワーク職員)「Aさんです」
私「Aさんっ!? あのミャンマー人だったAさん?」
電話主(ハローワーク職員)「そうです」
私「その方ね、この間当社に来て、ウチの仕事マネしたいとか、いろいろ言って帰ったんですよ。(話しているうちに、タダでウチに押しかけて情報聞いて、そのあとにハローワークでウチに求人応募するってその意味不明な行動はなにかしら、と考え始めた)そういう方をね、ちょっとお雇い出来かねるんですけど」
電話主(ハローワーク職員)「ハイわかりました失礼します」ガチャン!
TUN(夫)「あのひと、ただウチに来たこと忘れてウチの会社に求人応募したかも。ちょっとボーっとしてるでしょ」
私「4日前に来た会社を忘れるかっ!!しかも家もそう遠くないんだから!!」
TUN(夫)「ボーっとしてても、ミャンマーではエースですよ。日本人と結婚して、いい生活水準を手に入れて、日本人になって。これでお母さんの土地をゲットできたら、もう言うことない。彼女の野望は完成されるね。ミャンマーでは、このくらいエースじゃないと、いいものが手に入らないよ」
私「・・・・・・(日本式礼儀はどうなる?)」
ミャンマー人「エース」とのやりとりで、異常に気力を消耗したのでした。

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